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認知症といえばアルツハイマーなどが有名ですが、「前頭側頭型認知症」というのは意外と知られていないものです。実際、患者数も少なく、医者も詳しくない人が多いのが現状です。

今回はそんな前頭側頭型認知症の人に現れる諸症状と、それぞれの場合の対応の方法、ケアや治療の中身について詳しく説明していきたいと思います。

 

そもそも前頭側頭型認知症とは?

「前頭側頭型認知症」は、他の認知症、例えばアルツハイマー型と同じく、脳の委縮によって起こる認知症です。ただ、アルツハイマー型とは違い、前頭葉と側頭葉のふたつに委縮が見られます。

前頭葉、側頭葉の役割はそれぞれ下の通り。

  • 前頭葉
    感情のコントロール・ものを考える・理性的、計画的な行動・状況把握などをおこなう、中枢的役割を担う部分。やる気や生きる意欲もこの場所によって生まれる。
  • 側頭葉
    言葉を理解し、記憶する部分。聴覚のほか、嗅覚もここにある。

そのため、前頭側頭型認知症になると、上記の部分に反する行動をとるという症状がでます。反対に、物忘れrがひどくなるという事はありません。

 

診断の方法について

前頭側頭型認知症は名前も知られておらず、医者でさえも詳しくない事が多いので誤診が多いのも事実です。統合失調症やうつなどと間違って診断されてしまい、結果発見が遅れる事も少なくありません。

前頭側頭型認知症の診断は脳の構造の変化によっておこないます。

主に頭部CT検査やMRI検査を受けるのが一般的ですね。

ただし、研究が進んでいないという事もあり、また誤診も多いため、発見までには数カ月から2年以上かかることがほとんどです。

 

前頭側頭型認知症の主な症状と対応のしかた

それでは、前頭側頭型認知症の具体的な症状と、その対応のしかたについて見ていきましょう。

 

同じ行動をくりかえすようになる

一番大きな特徴が、同じ行動の繰り返しです。

意味のない言葉を繰り返し発していたり、毎日同じ時間に家の中を歩き回ったり、手やひざ・ものなどを叩き続ける事が多いです。

人によっては毎日外出し、同じコースの散歩を繰り返す人もいます。

反対に、前頭側頭型認知症のひとは、なじみのない場所では困惑してしまいます。

 

→対応 相手の行動を無理にとめるようなことはしないようにしましょう。家の中を歩いたり、手をたたくなどの行為は好きなようにさせてよいでしょう。外出をしても、徘徊と違って迷う事はほとんどありません。

→注意 ただし、外では信号無視や周囲の人への迷惑行為、万引きなどを行う危険がありますので、外に出る場合には出来る限り付き添うなどした方がよいでしょう。

 

食欲が異常に増える 甘すぎるものを好む

前頭側頭型認知症の人は、食事の面でも変化を示します。

まず、同じもの・同じメニューの料理を食べたがります。料理の味も甘くなり過ぎたり、濃くなり過ぎたりと普段からは考えられない味になってしまいます。

食欲が旺盛となり、夜中に冷蔵庫をあさって食べてしまう事もあり、机の上に置いておいた砂糖やシロップをすべて食べてしまうなどの行動に出る事もあります。

 

→対応 食べ過ぎや甘いものの過剰摂取は健康に良くなく、糖尿病などにかかる事もあります。食べ物はしっかり管理し、テーブルの上に食事以外のものを置かず、戸棚や冷蔵庫にはロックをかけるようにしましょう。

→ポイント 甘いものに関しては、毎日同じ時間に「おやつの時間」などを決めると良いでしょう。

 

 

集中力・関心興味がなくなる

外部に対する関心や興味が薄れ、なににも集中できなくなります。

人の話をじっと聞いていられず、ふいとどこかに行ってしまうことも。施設などでも、皆と同じ行動ができなくなります。話を振っても「知らん」「うるさい」などのそっけない態度。

前頭側頭型認知症の人は服装も気にしなくなり、その季節に合った服が選べなくなったり、汚れていても気にしなくなります。

 

→対応 話をしている場合にどこかに行きそうな時には「ねえねえ」と語りかけ、話を変えて相手の興味を保つようにしましょう。

→ポイント こちらの表情・行動をまねするので、ジェスチャーを増やし、笑顔で接するよう心がけましょう。

 

会話が苦手になる

人との会話が苦手になります。

相手のささいな要求に応えることも難しくなり、「それを取って」といわれても「取って」と相手の言葉を繰り返したり、ふいと無視をしたりしてしまいます。

 

→対応 無理矢理行動をさせようとすると、怒って暴力をふるってくる事もあります。何かを強要したりせず、また、相手が何か言おうとしている場合には根気よく、待つようにしましょう。

 

常識外れの行動に出る

前頭側頭型認知症特有の症状のひとつが、常識やルールからかけ離れた行動をとり、周囲に迷惑をかけてしまうことにあります。

具体的には万引き、痴漢、信号無視、順番を守らないなどなど。また本人に罪悪感がなく、怒られても平然としていたり、反対に注意に対して怒りだし、相手に暴力をふるう事もあります。

 

→対応 基本的には、専門機関と相談することをおすすめします。外出時には家族、あるいはデイサービスの人が必ず付き添うようにし、場合によってはショートステイの使用も。

→ポイント 万引きに関しては、お店の人に先に事情を話し、後でまとめて払ったり、先にお金をあずけるなど迷惑がかからないよう工夫しましょう。

 

治療とケアの方法

前頭側頭型認知症はほかの病気と違い、症状を遅らせるくすりなどもありません。有効な治療方法がいまだ見つかっていないという状態です。

基本的には症状に合った薬と周囲の人によるケア、症状によっては短期入院をし、行動をよりよいかたちに変えるというようなかたちになりますね。

この時、生活環境を変えたり、家族のたゆみない努力・工夫が必要になります。患者さん一人ひとりによって症状も違いますし、その人にあったケアもそれぞれですので、その場にあったものを逐一選んでいきましょう。

 

家族としても、前頭側頭型認知症のケアは決して容易なものではありません。

辛い時、難しい時などは専門機関に相談するなどして、少しずつ頑張っていってくださいね。


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