子供をむやみに褒めすぎてはいけない?「アンダーマイニング効果」とは

意味と語源

よく最近では「子供は褒めて伸ばせ」と言います。確かに、褒められると自分が肯定されると感じ、子供が前向きになるのは良く聞く話です。

でももちろん「褒めすぎ」や「ご褒美をあげすぎ」たりするのは禁物。

むしろ褒めすぎると子供のモチベーションを下げてしまう事も……。今回は子育てをしていく中で知っておいてほしい「アンダーマイニング効果」についてご紹介します。

 

 

アンダーマイニング効果とは?

アンダーマイニング効果とは、ある辞書によれば「内発的に動機づけられた行為に対して、報酬を与えるなどの外発的動機づけを行うことによって、モチベーション(やる気)が低減する現象。」(weblioより)

といってもこれだけでは少し分かりにくいですよね。

 

もっと簡単に言ってしまえば

初めは「興味ややる気」があって、「達成感」のためにやっていたことが、「ご褒美」をもらうようになると興味を失い、ご褒美のためだけにその行動をとるようになる、というもの。

(結果的に、やる気や興味は失われてしまう = モチベーション低下)

 

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具体的には…

さらに具体的な例で見てみましょう。

例えば、花子ちゃんは算数や数学に興味があって、いつも自分から熱心に勉強していたとしましょう。この時の花子ちゃんの勉強する理由は「数学に対する興味(内発的)」です。

しかし、このように熱心に勉強した結果、花子ちゃんがテストで100点をとり、それに感激した親が「ご褒美」として100円をあげたとします。

そうすると、花子ちゃんの中で「数学のテストでいい点をとる=お金がもらえるんだ!」という認識が出来上がります。

そうしてますます花子ちゃんは勉強をがんばるようになります、がいつの間にか花子ちゃんは「楽しいから」数学をやるのではなく、「お金をもらうため(外発的)」に数学の勉強をするようになります。

もし次のテストで成功してもお金がもらえなかったら、花子ちゃんのやる気は途端になくなってしまうでしょう。

初めは「興味」と「達成感」のためにやっていたのに、いつの間にか目的が「ご褒美だけ」になっているのです。

 

 

また、このようなアンダーマイニング効果はお絵かきの好きな子でも良くあることですね。

元々は絵を描くのが好きだった太郎君、たくさんの人に「すごいね」「上手いね」と褒められ、「もっと頑張って褒められたい」という思いが太郎君の中にむくむく生まれます。

そうすると、太郎君はどんどん「人に褒められるための絵」を描こうとします。そうしていつの間にか、絵を描く事の楽しさを忘れて行ってしまうのです。

「他人から褒められる = モチベーション」という場合、他人から褒められなくなると途端にやる気をなくします。元々は好きだった事も楽しく思えず、「褒められないんなら意味がない」となってしまうのです。

 

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アンダーマイニング効果はやる気を奪う

このように見てわかるように、過剰なご褒美や褒め言葉は、子供の自発的なやる気を奪い、無気力にさせてしまいます。

「頑張ったからご褒美」というのを子育ての中で取り入れている人もいるでしょうし、実際それは一時的に効果があることもあります。(嫌なこと・子供の頃なら注射や病院を乗り越えたご褒美としてジュースなどをあげるのは別に悪い事ではありません)

でも、子供が自分からやる気を出してやっている事に関しては、褒めすぎたりご褒美をあげ過ぎたりしないように気をつけましょう。

興味ややる気を持って行動している子は、褒めなくてもご褒美をあげなくてもどんどん進んでいけるものですよ。

 

 

*画像

  • http://www.playbuzz.com/raimyrubin10/which-super-bowl-winning-quarterback-are-you
  • http://www.toptenz.net/10-major-changes-our-schools-should-make.php
  • http://www.today.com/parents/your-child-quitter-when-push-kid-when-let-go-6C10549283

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