イスパタは重曹やベーキングパウダーで代用可能?特徴と違い【まんじゅう作り】

料理・食べ物

おまんじゅうなどの和菓子に使われる膨張剤「イスパタ」

でも重曹やベーキングパウダーと比べるとスーパーでの取り扱いも少なく、なじみが薄いですよね。

そこでイスパタの代わりに重曹やベーキングパウダーを代用できるか、それぞれの特徴と違いを一覧にしました!

特徴と向いている料理
イスパタ  白色の蒸し菓子におすすめ 
素材そのもののきれいな白色に仕上げたいときにおすすめ。生地が厚かったり冷却が足りなかったりしてガスが生地に残ると薬品っぽい風味になってしまうので注意。
重曹やベーキングパウダーと組み合わせて使うことも可。
重曹  黒糖・チョコなど色・味の濃いお菓子におすすめ 
膨らます力は〇。黄色みや苦みが少し残るため、白いお菓子にはあまり向いてないかも。
ベーキングパウダー  いろいろな使い方が可能 
水に溶かすと反応してガスが発生してしまうので、イスパタの代用にするときは注意。

「膨らます」という特徴だけに注目すると、イスパタは分量を変えることで重曹やベーキングパウダーで代用可能です。

ただし出来上がりの色が変わったり、味や風味が微妙に変わったりしてしまうことも。

用途(自分用or贈り物用)や作りたい和菓子(おまんじゅうの色や種類によってイスパタを使うか、重曹やベーキングパウダーを使うかご検討するのがおすすめです。

それでは次の章からもっと詳しく代用する場合の注意点を見て行きましょう。

 

イスパタ・重曹・ベーキングパウダーの特徴と違いまとめ

それでは詳しい内容とイスパタの代用として重曹・ベーキングパウダーを用いる場合についてみて行きましょう。

イスパタを重曹で代用する場合の注意点

イスパタをベーキングパウダーで代用する場合の注意点

 

イスパタの特徴

はじめに、そもそもイスパタってどんな特徴があるものなのかご存知ですか?

イスパタは下記のような特徴のある膨張剤です。

  • 和菓子で用いられることが多い
  • イスパタは水に溶いて使う
  • ベーキングパウダーより膨らませる力が強い
  • きれいな白色に仕上げやすい(着色されない)
    • 重曹は着色を促進する。
    • ベーキングパウダーはやや黄みがかってしまうことがある。
  • 蒸し料理に使われることが多い
    • 天ぷら、シュー生地に使われることもある
  • 生地にアンモニアガスが残ると薬品っぽい匂いが残ってしまう
    • 素材の風味を損なわないために生地を薄くしたり、蒸した後に冷却する必要がある

上記で見ても分かるように、イスパタとベーキングパウダー・重曹はそれぞれ違っています。なので代用する際にはそれぞれの特徴を理解する必要があります。

イスパタを代用する場合は

特徴や違いとともに重曹・ベーキングパウダー・イスパタを使用時の注意点を見て行きましょう。

イスパタ・重曹・ベーキングパウダーの配合量の違い

お菓子によっても異なりますが、それぞれの粉に対する配合量は以下のとおりです。

  • イスパタ:粉の1~2%ぐらいの量
  • 重曹:粉の1~2%ぐらいの量
  • ベーキングパウダー:粉の3~4%ぐらいの量

ベーキングパウダーだけ、重曹やイスパタの倍の量が必要になると覚えておくとわかりやすいですね。

ちなみに重曹は多すぎると独特の匂いが残ったりするので、代用する際は適宜調整してください。

イスパタを重曹で代用する場合の注意点

イスパタの代わりに重曹を使うと、以下のような違いがあります。

  • 色:黄色がかったしあがりになる
  • 味:苦みが出てしまう場合がある
  • 膨らみ:イスパタと比べるとやや弱い

重曹はイスパタよりも黄色っぽくなる

重曹は元々白い和菓子(おまんじゅうなど)には向いておらず、チョコ・ココア・黒糖入りの生地やどら焼き・かりんとうまんじゅうなどの色が濃いお菓子によく使われます。

そのため、イスパタの代用とする場合は白ではなく黄色っぽくなってしまったり、焼き色がついてしまう可能性があるので注意が必要です。

重曹は苦みが残る場合があり

重曹はイスパタとほぼ同様の分量が推奨されていますが、苦みが残りやすいため、分量はやや少なめ(1~1.5%)にすることをおすすめします。

洋菓子の場合にはナッツやドライフルーツなどで苦みをごまかしたり、材料にヨーグルト・チョコレート・バター・牛乳・はちみつなどを加えて中和したりしますが、おまんじゅうや肉まんなど作るお菓子によってレシピは変わってきます。

ちなみにイスパタと同じく重曹も水または卵に溶いて使用しますので、代用する際もレシピ通り進められるでしょう。

重曹の膨らみはもったりした感じ

どら焼きをイメージすると分かりやすいかと思いますが、重曹はイスパタと比べて出来上がりがもったりした感じで、ふくらみがやや弱い傾向にあります。

ちょっと食感が異なりますので、こだわりがある場合はご注意ください。

イスパタをベーキングパウダーで代用する場合の注意点

イスパタの代わりにベーキングパウダーを使う場合、代用は可能ですが以下の点に注意する必要があります。

  • 分量:ベーキングパウダーはイスパタの二倍必要
  • レシピ:水に溶かないよう要注意
  •  色:白がやや黄色っぽい色になる
    • 蒸しパンのような感じ
    • 重曹と比べると色は薄め
  • 味:基本は心配なし
  • 膨らみ:用途に応じて「蒸し物用」または「焼き物用」を選ぶ

ベーキングパウダーとイスパタは性質が異なる

イスパタとベーキングパウダーは似ていますが、以下の通り成分が異なります。

ガス発生剤 そのほか
イスパタ  2種類 
炭酸水素ナトリウム(重曹)&塩化アンモニウム
 助剤・遮断剤はなし 
ベーキングパウダー  1種類 
炭酸水素ナトリウム(重曹)
 助剤と遮断剤入り 
助剤(クエン酸、ミョウバンなど)
遮断剤(コーンスターチ、小麦粉など)

それぞれについて簡単に説明します。

  • ガス発生剤:簡単に言うと生地を膨らませる作用のものです。イスパタは重曹+塩化アンモニウムの二種類を使用しているため、膨らませる力が強いのです。
  • 助剤は重曹の欠点を補うために加えられているものです。具体的には助剤の種類を変えることでガスを発生させるタイミングや出来上がりの色を調整しています。
    • 具体的には出来上がりの色が白の場合は「微酸性」、色鮮やかにしたい場合は「アルカリ性」になるような配合にします。
  • 遮断剤は保管中に化学反応が起こらないよう調整するものです。

詳細はともかく、イスパタよりベーキングパウダーの方がさまざまなものが入っていることがわかりますね。

そのため、イスパタの代用として用いる場合はベーキングパウダーの量を少し多め(粉に対して3~4%)にする必要があります。

【要注意】ベーキングパウダーは水に溶かさない

イスパタはあらかじめ水に溶いてから生地に加えますが、ベーキングパウダーは先に水に溶かすと炭酸ガスが発生してしまい、加熱した際のふくらみが悪くなってしまう可能性があります。

そのためイスパタの代用としてベーキングパウダーを用いる場合はあらかじめ水に溶かさないようご注意ください。

色は少しだけ黄色っぽくなる

先に重曹は生地が黄色っぽくなってしまうと書きましたが、ベーキングパウダーを使った場合も生地が多少黄色がかってしまうことがあります。

真っ白なおまんじゅうを作りたい場合にはイスパタが最適です。

ただし重曹と比べるとベーキングパウダーの色は薄いので、自分用に作る場合には気にする必要はないかもしれません。

ベーキングパウダーは「蒸し物用(即効型)」を使うこと

ベーキングパウダーは助剤の種類によって「持続型」「遅効型」「即効型」の三種類があります。

特徴と向いている料理
持続型  一般に販売されているもの 
低温~高温まで継続的にガスが発生して膨らむように配合されているもの。
遅効型  焼き物用 
高温(180℃等)になると炭酸ガスが発生されるよう調整されているもの。
即効型  蒸し物用 
100℃以下の低温でも炭酸ガスが発生してうまく膨らむよう調整されているもの。

一応、通常販売されているもの(持続型)でもイスパタの代用とすることは可能ですが、おまんじゅうなど蒸し料理に使用する場合は「蒸し物用」がおすすめです。

終わりに

イスパタの代用に関して詳しく見てきました。

膨張剤というとどれも似たように見えますが、イスパタ・重曹・ベーキングパウダーはそれぞれ違いがあって、使い方を間違えると苦く・固くなってしまうこともありますので注意が必要です。

レシピと異なるものを代わりに使う際にこの記事が参考になったなら幸いです!

 

最近よく読まれているページ