油絵の絵筆が固くならないように筆を洗うために使う「筆洗油(ネオクリーナーなど)」ですが、火気厳禁のため捨て方に困りますよね。
筆洗油はその名の通り石油を精製しているため、捨てる時や処分をするときには廃油処理となり、注意が必要です。
今回は筆洗油を捨てる時の捨て方や、処分方法についてまとめました。
筆洗油の捨て方
結論から先に書くと、筆洗油は「凝固剤で固める」または「スポンジに吸わせた」後、可燃物として処分します。絵具の顔料成分は(もし廃油と分けることができれば)不燃ごみとして捨てます。
ちなみに筆洗油を処分するときはかなり匂いが出るので、できるだけ喚起しながら作業しましょう。
数ヵ月越しの筆洗油を処分してから自分がずっとテレピン臭い
— すてみ (@ste02g) January 6, 2012
それでは具体的な方法についてみて行きましょう。
筆洗油の捨て方①サラダ油と同じ処分方法
一番簡単な筆洗油の捨て方は、筆洗油を油吸収パッドなどでひとまとめにした後、ビニール袋に入れ、それぞれの自治体で指定された方法で可燃ごみとして捨てます。
油吸収パッドは以下のような感じで、安いものだとダイソーなどの百均でも売ってることがあります。
【お買得パック】廃油処理 冷めた油用 吸い取るんです ¥1,018
面倒な場合は新聞紙に吸わせる捨て方でもOK。新聞紙で筆洗油を吸った後、ビニール袋に入れて水に浸すのを忘れずに!
(水に浸すのは発火を防ぐためです→筆洗油を処分する際の発火について)
筆洗油の捨て方②専用の道具を使う
ふたつめの捨て方は筆洗油専用の道具を使う方法です。
具体的には処分の際に「エコロイル」という製品を使います。
パウダータイプ(固める)とスポンジタイプ(吸わせる)の2タイプがあります。
エコロイルを使う場合の捨て方
パウダータイプは筆洗油にパウダーを振りかけてゴム状に固めた後、可燃ごみとして捨てます。
スポンジタイプはポリ袋の中に筆洗油を入れて、中に入っているコットンマットに油を吸わせた後、袋などに入れて可燃ごみとして捨てます。
どちらもサラダ油と似た処分方法ですが、エコロイルは筆洗油用のグッズなのでより安全に捨てることができます。
簡単筆洗液処理 固める エコロイル 25g ¥1,045
固めるタイプ。約500mLの筆洗油を固められます
簡単筆洗液処理 吸わせる エコロイル 5枚入 ¥1,045
吸わせるタイプ。約500mLの筆洗油を処分できます。
エコロイルはどこで売ってる?
エコロイルは世界堂などの画材屋さんで見かけることが多いですが、Amazon等の通販が一番手に入りやすいかと思います。
ちなみにスポンジタイプのエコロイルはテレピンやペトロールも一緒に処分することができます。他の画材の捨て方に迷っている方におすすめです。
一応自治体のページも確認してみて
筆洗油に限らず、油系の捨て方や処分方法は「可燃ごみ」で「焼却炉に着くまでに発火を防ぐこと」を前提に処分する必要があります。
ただし石油などの油は処理方法が自治体で定められている場合があるので、念のため自治体のホームページを確認することをおすすめします。
(市役所や役場のHPがおすすめです)
ネオクリーナーの捨て方
ホルベインのネオクリーナーについては以下の記載もありましたので参考までに掲載しておきますね。
筆洗液(筆洗油)を捨てる時は…
- 市販の油処理剤を使用してください(加熱するタイプはNG)。
吸わせるタイプや固めるタイプがありますが、吸わせるタイプが最もカンタンです。- リンス入りのクリーナーは固めるタイプが効きません。
吸わせたり固めたりして処理した物は可燃ゴミとして回収に出せます。- また、できれば絵具の顔料成分と廃油は分ける事が望ましいです。使い終わったブラシクリーナーは、放っておくと下にヘドロ状の顔料が溜まります。上澄みの廃油部分を別の容器に分けて処理し、残った顔料部分は不燃ゴミとして処理してください。
- 尚、学校で発生した廃油は引火性の産業廃棄物として、有償処理の対象になります。
筆洗油の処分方法、おすすめは・・・
二通りの方法を見てきましたが、個人的におすすめの処分方法はスポンジタイプのものに吸わせる方法です。
というのも「固めるタイプ」は温度や量によってうまく固まらなかったりして意外と苦労することが多いからです。
初めてでしたら筆洗油をコットンやスポンジタイプのエコロイルを少し多めに買っておくのがおすすめです!
排水溝に流すのはNG
筆洗油の捨て方として「排水溝に流す」のはNGです!
理由として、筆洗油が冷えると固まって水道管詰まりの原因になったり、悪臭が発生したりしてしまうからです。
ただもし「既に排水溝に捨ててしまった……」という場合は水やお湯をたくさん流して洗い流してしまうのが良いでしょう。
今後水道管が詰まった場合は、パイプユニッシュなどのクリーナーを使って掃除をします。
筆洗油を水道に流すのはできれば避けるべきですが、流してしまった場合も後処理をすれば水道管詰まりを防げる場合も多いです。
筆洗油を処分する際の発火について
筆洗油はガソリンと比べると引火の危険は低いです。
でも油は油です。放置すると発火する危険があるので、処分するまで保管する場合は
- 他のごみと摩擦しないように袋に入れる
- 袋で密閉して酸素に触れにくくする
- スポンジや新聞紙に吸わせる場合は水分を含ませる
(浸るくらい袋に水を入れる)
などの対処をおこない、発火しないよう注意しましょう。
特に夏場に筆洗油を捨てる場合は、捨て方はもちろん、処分までの間に自然発火を起こさないよう袋の中に水を入れておくのがおすすめです。
筆洗油を捨てるタイミングは?
ちなみに筆洗油は毎回捨てる必要はなく、何度か繰り返し使用できます。
ではどのような場面になったら処分する必要があるのでしょうか。
答えは「汚れてきたら」です。
筆洗油は元々液体特有の透明感があります。
それが古くなってくると粘り気が出て来て、透明感も薄れ、また臭みが出てきます。また筆を洗うたびに少しずつ汚れが沈殿していきます。
そうして透明さがなくなってきたら筆洗油は処分をするか、捨てるなどして新しいものに取り換える必要があります。
(筆を洗った時には濁っていても、次に使う時には透明に戻っていたりします)
ただし沈殿物がそこに溜まっているだけの状態の場合は、上のきれいな部分の筆洗油は別の容器に移して、汚い部分だけ処分する捨て方でもOKです。
筆洗油を捨てた後は・・・
筆洗油は固めるか、吸わせるかした後に可燃ごみで処分します。
一方、油を捨てた後の筆洗器ですが、こちらは石鹸などで洗った後、再び器として使用可能です。
終わりに
筆洗油の捨て方や処分方法、そして発火などの注意点についてみてきました。
個人的にイチオシはエコロイルの吸わせるタイプで捨てる方法です。
筆洗油を捨てる時は発火を防ぐため、ビニール袋に入れて密閉する、浸るくらいの水を入れておく、可燃ごみに出すなどの点にご注意ください!
また廃棄油の捨て方について特別な決まりがないか、できる限り自治体のHPなどをチェックしてみてくださいね。
処分方法に迷う筆洗油ですが、参考になったなら幸いです!