進学のため、就職のため、はたまた夢を追いかけて、さまざまな理由で毎年多くの人が地方から東京に移り住んできます。
しかし、上京してみても東京の気風が合わなかったり、寂しさ・孤独・悩み・夢とのギャップなどなどさまざまな理由で上京を後悔する人は少なくありません。実際、そんな人を何人も見てきました。
案外と、上京してもすぐに帰ったり、一年で地元に戻る選択をする人は少なくないのです。
上京したけれど帰る理由
上京しても後悔するという人の理由はさまざまですが、私のまわりで地元に戻った人は以下のような理由が多かったです。
- 学校・仕事が合わなかった
- 孤独・寂しい・ホームシック
- 体調を崩した
- 金銭面の問題・生活費が足りない
- 夢と現実のギャップ
学校・仕事が合わなかった
学校で友達ができない。仕事の同僚とそりが合わない。残業が多い、等等……。
進学や就職のために上京してきても新しい環境に慣れなくて悩んで、地元に帰りたいと思うことは何度もありますよね。
上京するまでは学校や就職先で楽しい生活が待っていると期待しているからこそ、学校や仕事がうまくいかないと辛くて辛くて、あるいは疲れて、地元に帰りたくなるものです。仕事が合わないというほかに、苛酷な労働条件で体を壊したなどもよく聞きました。
就職するにしても上京しなくてもよかったかも……と思ってしまうとか。
イラストの専門学校に通っていた知人で、学校で友人が出来ず、課題の提出も遅れ、さらに学費を奨学金でまかなっていることもあり悩んだ結果、彼女は地元に帰る決断をしました。
孤独・寂しい・ホームシック
上京したけれど帰りたい、という気持ちの一番は「孤独で寂しい」「ホームシック」ではないでしょうか。
地元から出てきて、家族とも離れて一人の生活。東京で一人きり。そんな環境だとどうしても心が擦り減るほどに苦しく、地元に戻りたいとなりますよね。
自分はホームシックにならない、と思っていた人ほど、上京すると寂しさを感じて、わけもなく泣いてしまったり早く帰りたいと考えたりしてしまいます。家族や友人と電話しても安堵する以上に泣いてしまいがち……。
実際、はじめの1、2カ月は寂しく、そのうえ職場や学校で友人ができないとせめて家族のいる地元・実家に戻りたいと思うもの。これは上京した人の多くが経験している事で、私も覚えがあります……。
体調を崩した
先の「仕事が合わない」もありますが、上京後の新しい環境に慣れず、体調を崩してしまったことをきっかけに実家に帰ってしまった子もいます。
寮生活の頃には肉体的にも精神的にも限界がきて、寮母に連絡なく、寮から実家に帰ってしまった人もいました。
そこまででなくても、風邪をひいたり怪我をしたりして孤独をより深く感じたり、誰にも頼れない現状を痛感して地元の家族と共に暮らしたいと思うのも一人暮らしあるあるです。
個人的にはぎっくり腰のときが辛かったです。寝返りもうてないので当然食事できないし水も飲めない。死ぬかと思いました。
金銭面の問題・生活費が足りない
金銭面の問題で一人暮らしが続けられず、上京したけれど地元に帰ったと言う友人もいます。
一人は放蕩が過ぎて生活費が足りなくなったのですが、もう一人は仕事で体を壊して働けなくなったために地元に帰って療養しました。
夢と現実のギャップ
地方に住んでいると、上京すればなにかきらきらした生活が待っている、と期待しがちですよね。
そうでなくとも東京での生活や、学校・仕事を楽しみに思う気持ちが大きいもの。
ただ、上京し、一人暮らしをすると、家賃の他に光熱費や電気代、食費まですべて管理しなければいけない上、食事を自分で作ったり、洗濯をこまめにしたり、風呂掃除をしたり、とにかくやらねばならないことがたくさんあります。
金銭面でも、健康面でも、また人間関係もすべて一から始めていきます。思い描いていた明るい生活ができず、それどころか寂しくて苦しくて、地元の家族のもとに帰りたい。そうでなくとも地元の友人に会いたい。
そうしたストレスが募って、上京を後悔してすぐに帰る人もいました。
上京してから3ヶ月くらいはつらい
上京する前は、覚悟はしていたけどこんなに辛いと思わなかった、という出来事の連続です。
まず電車の路線がよくわからない。朝夕は満員電車が辛い。人に押し潰されながら運ばれていきます。学校や職場も慣れないことばかりで緊張と疲労でストレスだらけ。その上孤独。誰にも頼れない。とても寂しい。
特にはじめの1か月は「本当にこのまま東京で暮らしていけるんだろうか」と先行きが不安になり、2、3か月ほどして慣れてきても、ふっとした瞬間に孤独を感じて心配事が頭を巡る……。
上京あるある
上京あるある、もしも今、上京して3ヶ月以内で、上京後の一人暮らし・生活に不安を抱いている場合には、かつて上京してきた人の多くが経験したものです。
もちろん、その時には耐えられない、地元に帰りたい! というのが正直な気持ちです。自分が寮生活していた頃には、寮母さんがいましたが、それでも上京して1か月、あるいは半年くらいで地元に帰ってしまった人も見てきました。
先に挙げたイラストの専門学校に通っていた人は、2年目でしたが、それでも実家に帰ることを選択しました。
寂しい・ストレス・どうすればいい?
親に電話をする
もしもあなたが親と不仲ではないのなら、時間を見つけて親や家族に電話をしてみてはいかがでしょう。
親も上京したあなたを心配しています。もしかしたら辛さや懐かしさ等さまざまな感情で泣いてしまうかもしれませんが、それでも一人で悩んでいるよりははるかに気が晴れることと思います。
上京後は「一人で頑張らなきゃ」「誰にも頼れない」と緊張し、気を張りつづけているものです。でも、あなたには帰る家や場所があるのだと確認できると寂しさが薄らぐかもしれません。
休日に帰省する
地元が電車や新幹線で行ける距離ならば、休日に帰省するのもひとつの手です。
実家に帰ると東京に戻りたくなくなるかも……と躊躇するかもしれませんが、自分を追い詰めていると余計に辛くなってしまいます。
楽しみ・趣味を見つける
東京は人間関係は希薄ですが、その分、一人で楽しめる場所がたくさんあります。
喫茶店やカフェ巡り、演劇、舞台、古本屋、雑貨屋、そのほか流行のお店。浅草や秋葉原等の観光地。もしも同じ地元の友人がいるのならば、予定を合わせて合うだけでも大分、気が晴れますよ。
東京近辺では週末はほぼ必ずどこかでイベントがおこなわれているので、そういった場所で寂しさを紛らわせて、東京に慣れるまで我慢するのもおすすめです。
個人的には映画が好きなので、映画館の多い東京はとても楽しいです。
外に出なくても、料理やお菓子作り・読書など楽しめることを探してみてはいかがでしょうか。
寝る・休む・食べる
新しい環境で疲れていると忘れがちな「ぐっすり寝る」「美味しいものを食べる」。
お風呂に入って、美味しいもの食べて、あたたかいお布団でぐっすり眠りましょう。
「とりあえず1年」は概ね正しい
上京したけれど地元に帰りたい、と思うと「とりあえず1年」頑張ってみては、と言われることが多いです。
慣れるまで・適応するまではやっぱり苦しいものです。ホームシックや寂しさ、生活の苦しさなどを経験してきたからこそ「もう少ししたら慣れるよ」と、言うのです。
でも地元に戻る人もいる
それでもやっぱり辛いものは辛いし、寂しいものは寂しい。
中には上京して1年頑張ったけれど、東京が合わなかったから帰ったという人もいます。
本人の人生なので自分が選んだことならばそれが正しいのだと思います。東京は上京してきた人を受け入れる懐の深さがありますが、その分、去るもの追わずのさっぱりした場所です。
寂しさを紛らわせて慣れる
というわけで、長々と書いてきましたが、上京後、身近で地元に戻った人の姿を何人も見てきました。
学校をやめて行った人も、職場をやめた人も、またはじめは寮生活だったので特に多くの人が去って行く姿を見ました。案外多いです。上京は必ずしも幸福なものとは限りません。でも何かしら学ぶことはできます。
上京したけれど帰るかどうか迷っているのなら、寂しさや辛さを一時的に紛らわせて、生活に慣れていけるか試すのが唯一の解決法かもしれません。
おわりに
仕事が苛酷、体調を崩した、などなど上京後に地元に戻る事情は様々だと思います。命に関わる事情であるのならば、無理をせず地元に帰ることも大事です。
ただ、寂しさや不安といった漠然とした気持ちなら、新しい環境に緊張しているのもあるのかもしれません。知らず知らずに疲れがたまっているのです。
上京・一人暮らし・新しい環境。そんなときこそ美味しいものを食べて、暖かい布団でぐっすり眠るのを忘れないでくださいね。