「肴(さかな)」という言葉は、食べ物の「魚」と似ていてなんだか、ややこしいですよね。
今回は「肴」の読み方や意味、使い方、それにつまみとの違いについて見ていきます。
「肴」の読み方
上に書いたように、「肴」は「さかな」という読み方です。
ちなみに、ほぼ似た意味の「酒肴」は「しゅこう」という読み方になります。
元々、「肴」は「こう」と読み、その時には「おかず・ごちそう(煮た肉など)」という意味を持っていました。
「肴」の意味
読み方だけみると、肴(さかな)は「魚」のようで、なかなかややこしいと感じる人もいるかもしれません。
「肴」の意味は、「酒を飲む際に共に楽しむもの・食べ物」を言います。
具体的には、酒を飲むときのおつまみ、酒を飲みながら見る歌・踊り・話題などをまとめて、肴という意味になります。
「肴」の意味の由来
肴は、もともと、「酒菜」という言葉が由来になっています。
意味は、文字通り「酒のためのおかず(菜)」。
この酒菜が「肴」と書きかえられて、現在のように使われるようになりました。
ちなみに、江戸時代までは、「魚」は「うお」と呼ばれていました。
お酒のおつまみ(肴)に魚肉が使われることが多かったため、自然と魚が「(うおではなく)さかな」と呼ばれるようになったのです。
意味や読み方的には「肴」の方が先だったのですね。
肴の具体的な意味と使い方
肴の具体的な意味は、下のようなものがあります。
食べ物(おつまみ・あて)
例えば、ビールに枝豆、ワインにとってのチーズなどが、肴という意味にあてはまります。
もちろん、キャビア・フォアグラ・刺身・揚げ物・乾き物などなど、酒と一緒に食べるものであれば、なんでも肴と呼べます。
食べ物以外
肴はおつまみと似た意味なので、食べ物をイメージすることが多いと思います。
ただ、食べ物以外でも、酒と一緒に楽しむものを「肴」と呼びます。
具体的には、酒の余興や、おしゃべり(噂話)などなど。
現代なら、スマホやインターネットを肴に飲む人もいれば、テレビの野球番組やお笑い番組を肴にしている人も。
肴の使い方
肴は「○○を肴にする、肴にして飲む」というような使い方をします。
例えば、「上司の噂話を肴にして飲む」「昨日の残りものを肴に、日本酒を飲む」「美しい景色を肴に」などなど。
ちなみに、肴という言葉には、「酒の」という意味も含んでいます。
なので、「酒の肴」という言葉は、言葉が重なってしまっているので、意味は通じますが少し間違い。(「頭痛が痛い・犯罪を犯す」みたいなことですね)
正しくは「肴」の一文字のみで使います。(「頭が痛い・罪を犯す」)
飲酒以外で使うことはほとんどありません。
「つまみ」との違い
肴は、お酒と共に楽しむものです。
そこで、「つまみ」とはどう違うの?、と不思議に感じる人もいるかも知れません。
肴とつまみはほとんど同じ意味です。
強いて言うなら、つまみの方が、少し俗っぽい言い方で、「肴」のほうが丁寧に感じる人が多いでしょう。
状況に応じて使い分けるのがいいですね。
ちなみに上に書いたように、「肴」は、元々は「こう」と読み、「おかず」という意味でした。
そういう意味で、つまみよりは広い意味を持っていたんですね。
おわりに
「肴」の読み方や意味、使い方、おつまみとの違いなどいろいろ、見てきました。
普段何気なく使っている言葉ですが、意外と不思議なことも多いですよね。
「肴」という言葉について、少しでも理解が深まったのなら幸いです。