後処理が楽な紙皿・紙コップは便利ですが、電子レンジで温める時に「使って大丈夫か」とふと不安になりますよね。
今回は紙皿と紙コップを電子レンジで使用しても大丈夫か、レンジで使用する場合にはどのようなことを注意すべきか。
結論だけ先に書くと「紙皿と紙コップは電子レンジで使用しても体に害はない。やけど・事故の危険がある」とのことです。詳しくはこれから紹介していきます。
紙コップ紙皿の電子レンジ使用は基本NG
(1)紙コップ・紙皿の内側にコーティングしいているポリエチレンが溶ける
(2)紙コップ・紙皿に液体が沁み込む。 (3)中身がこぼれたり、形を保てなくなって紙コップ・紙皿がくずれたりする。 |
先に書いたように電子レンジで紙コップや紙皿を使うと事故の危険があります。
ちなみに紙コップに使われているポリエチレンは摂取しても体に害はないです。
しかし紙コップをレンジでチンすると紙コップの強度がなくなり、中に入れたものがこぼれたり、形を保てずくずれる可能性があります。
(1)ポリエチレンが溶ける
紙コップ・紙皿の内側には通常、耐水用ポリエチレンがコーティングされています。
このポリエチレンは約110度を超えると溶けだす性質があります。そのため、電子レンジで熱すると食品にくっついたり、飲み物に溶けだしたりします。
(ポリエチレン自体は食品衛生法で定められている通り、人体に害はなく、安全に体外に排出されるようになっているので誤って体内にいれてしまっても大丈夫です)
(2)紙コップ・紙皿がふにゃふにゃに
しかし健康に害はなくともポリエチレンが溶けてしまうと、紙コップや紙皿に直接中身が沁み込んでしまいます。
普通の紙は水にぬらすとふにゃふにゃになってしまいます。
(3)中身がこぼれる・発火
ポリエチレンのコーティングが溶け、紙がふにゃふにゃになったらどうなるのか。
紙コップの場合には、主に底の部分から中身がしみでたりこぼれたりします。またふにゃふにゃで熱いために持つことが出来ず、やけどの危険もあります。
ボウル型の紙皿は電子レンジのなかで平ら(ぺったんこ)になってしまう場合があるそうです。そうなると当然、中身はあふれ、電子レンジ内は大惨事。故障の原因にもなりかねません。
また水分が足りない場合には紙皿が焦げたり、紙コップが発火したりといった危険も。
レンジの紙コップ110℃以下は大丈夫?
ポリエチレンが110℃で溶けるのならそれ以下なら大丈夫かな、と考えてしまいますがやっぱりそれでもおすすめできません。
というのも油を含む食品は電子レンジでチンするとすぐに110℃を超えます。
目を離している隙に紙皿や紙コップがくずれることもありますし、わりと短い時間の加熱でもふにゃふにゃやわらかくなってしまいます。
面倒でも一度別のお皿・カップに移してレンジでチンすることをおすすめします。
それでも!紙皿をレンジで使う場合の注意点
ここまで「紙コップ・紙皿は電子レンジで使わない方が良い」「形が崩れて中身が沁み出て、掃除が大変だしやけどの危険もあり、電子レンジが故障する場合もある」ということをみてきました。
しかしそれでも電子レンジで紙コップ・紙皿を使わなければいけない場合もあるかもしれません。
そんな場合には以下のことに注意して下さい。
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ラップは掛けず沸騰前に取り出す
電子レンジでチンする時にはラップをかけることが多いですよね。
しかし紙皿や紙コップを電子レンジで使う場合にはラップはかけないでください。中身の様子が見えづらくなりますし、加熱しすぎてしまうからです。
レンジを使うと90℃を超えるのはあっという間です。ラップをかければなおさらです。だから、紙皿や紙コップをレンジで使う場合にはラップは掛けないでください。
また液体が沸騰する前に取り出す事を心がけて下さい。
油物は避ける
紙皿は通常、ポリエチレンで守られているので脂多めの肉を乗せても油がしみこまず重宝しますよね。
しかし水よりも油の方が温度は上がりやすく、短い時間で紙皿の中身の温度が急上昇します。そのため紙コップ・紙皿で油物の加熱は避けた方が良いです。
肉だけでなく、油を使った汁ものなども危ないです。
目を離さない
紙皿を使ってレンジで温めている場合には出来る限りレンジの近くで、中の様子を確認するようにしましょう。
特におわん形の紙皿を使っていると、レンジで加熱している内に平らになってしまいます。そうすると中身のものが庫内にあふれ、料理がダメになってしまうだけでなく、掃除が大変で、電子レンジの故障にも繋がります。
異臭があったらとりだして
また紙コップの場合には中身が沁み出てきて、レンジの底にたまり、異臭を放つ場合があります。珈琲等の場合には焦げたような匂いをすることがあるそうです。
沸騰する前にとりだすために、電子レンジ加熱注意は紙皿・紙コップのようすに気を配りましょう。
加熱時間は短く、数十秒ごとに
普通のお皿を用いる時よりもこまめに蓋を開け、中の状態を確かめましょう。
これも中身が溢れるのを避ける為です。
「そうするとなかなか温まらないんだけど……」と言う場合には素直に普通の耐熱皿に移す事をおすすめします。
紙コップのレンジ使用について
ちなみに今家にある紙コップを確認したところ以下のような記載がありました。
西友の紙コップの袋にある注意書きです。また、デキシー(DIXIE)のサイトには以下のようなQ&Aものっています。
Q.紙コップは電子レンジで使用しても大丈夫ですか?
A.基本的には電子レンジではお使いいただけません。
(中略)、ラップなどで覆ったり、加熱時間を間違えると突沸(いきなり沸騰してはじけ飛ぶ現象)が起こり大変危険です。また油を含む食品などは110℃以上に加熱されてしまいますので、内面のポリエチレンが溶け出してしまいます。(中略)ご使用状況によって様々な事故につながることがございますので、基本的には電子レンジではご使用にならないでください。
(下線部は追加しました)
ということで基本的な紙コップ・紙皿では電子レンジで使うのは、やっぱりやめた方が良いようです。
電子レンジ対応紙コップ
世の中には電子レンジ対応紙コップというものもあります。
そのような物の場合には袋にある記載の加熱時間を守って使えば安全です。具体的には「500wで2分未満」「1000wで30秒未満」といった記載があるそうです。
また、断熱紙コップはあくまで触っても熱くないというだけで、電子レンジ対応という意味ではありません。まぎらわしいですが間違って使わないよう注意しましょう。
おわりに
長々と書きましたが
(1)紙コップ・紙皿の電子レンジ使用は基本NG
(2)体に害はないけどやけど・電子レンジ故障の原因になるから
(3)それでもレンジで使う場合はくれぐれも注意して
とのことでした。紙コップや紙皿、電子レンジで使えるようになったら便利なんですけどダメらしいとのこと。いつか使えるようになるといいですね。
もしもどうしても紙コップや紙皿を電子レンジで使う場合はくれぐれもご注意ください。
参考になったら幸いです。